ペン画と寓話を組み立てて
シャドーボックスにした箱庭世界。
寓話的ダークファンタジー。
トピックス
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- 2019.09.30
- JIA Illustration Award 2019 にて銅賞を頂きました。
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- 2019.03.22
- recognizine 様に掲載頂きました。
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- 2019.01.25
- 1GUU 様に掲載頂きました。
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- 2019.05.13
- 日本蒸奇博覧会 in ゲームマーケット2019春 出展
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- 2018.10.30
- ウェブヨキ 様に掲載頂きました。
寓話立版古カラスグチ
について
洋書の挿絵や絵本に見られるペン画。
ふしぎで不気味、ちょっぴり風刺的ないきものたちの寓話。
それらを組み合わせたオリジナルのシャドーボックスを制作しています。
ロゴの由来
- 寓話
- +
- 立版古
- +
- カラスグチ
この3つを合わせた名前です。
寓話とは
動植物などを擬人化し人間のように動かすことで、人間の行いに対して比喩・風刺をする物語のこと。オリジナルの寓話ですが、どこかに刺さるような寓話を目指しています。
立版古とは
絵をカットし組み立てたもの。江戸時代後期〜明治期に流行。シャドーボックスの日本版と個人的に解釈しています。立版古のような素晴らしさが伝えられようにと拝借しました。
カラスグチとは
製図用のペンのことです。漢字では「烏口」と書きます。見た目がカラスのくちばしに似ていることからこう呼ばれています。ペン画を描くこと、そして鳥が好きなことからこの名前を拝借しました。
シャドーボックス+寓話作品
The country of strange stone- The jewel basilisk -奇石の国 宝樹バジリスク
奇石の国
宝樹バジリスク
昔、離れの村に宝石のできる樹があった。
村の者はその樹に祈りを捧げ、ほんの少しの欠片だけ頂いていた。
豪華な装飾品はつくらず、それぞれの家で大切にしている家宝に取り付けたり産まれたこどもに授けるなどして、慎ましく暮らしていた。
外の暮らしを知らない村の者には、豪華な装飾品や贅沢な暮らしの発想がない。
誰一人思いつくはずがなかった。
長年に渡り、この村の存在を知る者はいなかった。
しかし、時代が進むと土地が開拓され、外の者がついにこの村を見つけた。
外の者は、村の者が知らない知識や道具をたくさん持っていた。
村の者は彼らのおかげで栄えていくことを大変喜び、お礼に、と宝の樹を案内した。
外の者は、村の者の教えに従い、祈りを捧げた後、少しの欠片だけ頂いた。
宝石は外の者にとって貴重なものであったようで、次第に噂が広まり、遠くの者がやってくるようになった。
村はさらに栄えたが、良いことばかりではない。
遠くの者はごうつくばりだった。
祈ることもせず、宝石を全て奪い、独り占めしてしまった。
そればかりか
「おまえたち村の者と外の者が宝石を多く取りすぎたんだ。」
「宝石がもうなくなってしまった。どうしてくれる。」
などという始末。
やがて、村の者も外の者も
「遠くの者に宝石を取られてたまるか。」
と、まだ小さな実でさえ取るようになってしまった。
奪われるばかりの宝の樹はどんどんやせ衰え、実をつけることができなくなった。
「このままでは宝の樹が枯れてしまう。」
長年、宝の樹に隠れ住んでいるヤモリの姿をした醜い魔法使いが、人々を説くために姿を現した。
「あの樹に祈りを捧げなければ、その実をつけることならず。代わりに、うつくしいものを取り込もうとするでしょう。」
しかし人々は魔法使いの話に耳を貸すどころか
「なんて醜い魔法使いだ。醜いものには宝石のうつくしさなどわからないだろう。」
「なんとかしたいと思うなら、鞄から溢れるほどの宝石を出してくれ。この樹の実よりも、もっと大きくかたちよく。魔法使いならできるだろう。」
などと口から欲が絶えない。
あげくのはてに
「七色に輝く宝石にしてほしい。」
といった夢まで語り出す者もいた。
魔法使いは何日も何日も説得したが、人々の目は宝石の色を写すばかりだった。
「外の者と遠くの者を帰さなくては。」
そう考え出した頃、ある日とうとう変化がおきた。
こどもが、いなくなってしまった。
村の者のこども、外の者のこども、遠くの者のこども、生まれに関係なく。
ふと、大人がこどもにかけた言葉を思い出した。
「宝の樹に近づいてはいけないよ。ちいさなおまえが近づけば、たちまち食われてしまうよ。」
大事な宝石がもぎとられたり、傷つけられたりしないようにと、かけた言葉だった。
いつも宝の樹に近づくことを禁じられていたこどもたち。
目の色が変わりこどもたちを見なくなった大人たち。
こどもたちが、行動を起こさずにいられることなんてあるのだろうか。
魔法使いは、宝の樹のほうへ向かった。
うつくしいものとはなんだろう、ということが頭によぎりながら。
まさか。
たどり着くと、やせ衰え、実をつけることができなくなった宝の樹に、小さな宝石がいくつもできていた。
辺り一面にこどもたちが身につけていた服や、赤子の頃に授けてもらった宝石が散らばっている。
宝の樹は、その透明度を保つために、不純物を持たないうつくしいものを養分として実をつける。
世の中を見通せるだけの背丈がない幼い子供は、不純物を持たない。
宝の樹にとって、うつくしいものとなる。
こどもは、小さな宝石になっていた。
魔法使いは、宝の樹に小さな宝石ができていて、その宝石はこどもたちであることを伝えようとした。
でも大人たちは、小さな宝石ができていた、と聞いた途端、我先にと駆けだした。
どうやら、その手で奪いに行くらしい。
誰の子かもわからないまま。
この村には人は住まないほうがいい。
醜い大人も、宝石として一生を過ごせばいい。
宝石になれば、欲に駆られることなく、奪うこともせず、自分を愛せるだろう。
魔法使いは宝の樹の守護獣になるよう、自分にまじないをかけた。
── 宝樹バジリスク
別名:宝獣バジリスク、宝守家守と呼ばれている。
バジリスクは幾星月もこの樹を守り続けている。
その間、ずっと独りきり、という訳ではなかったらしい。
こころのうつくしいドワーフが迷い込んでしまうことがあったらしいが、彼はどうなったのだろうか。
制作方法まとめ
制作方法まとめ一覧へできること
サイト制作
コーディングを中心に担当しています。丁寧で管理しやすい記述を心掛けています。
- Visual Studio Code
- Photoshop
- Illustrator
- HTML5
- SCSS
- jQuery
- JavaScript
- レスポンシブ対応
- コーディング
- デザイン
印刷物制作
挿絵を描いてコンセプトブックに使用した案件もあります。
- コンセプトブック
- パンフレット
- ポスター
- 新聞広告
- DM
イラスト制作
ゴブリン、ドワーフ、ホビットなどの亜人・人外が登場する西洋ファンタジーな挿絵からイラスト・漫画まで描きます。CLIP STUDIO PAINT EX を使用。
- シャドーボックス
- ファンタジー
- スチームパンク
- 挿絵
- 絵本風
- ペン画
- 漫画
経歴
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- 2010.11
- JDNカレンダーデザインアワード2011 入選
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- 2018.11
- デザインフェスタvol.48 出展
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- 2018.11
- TRAVEL to FANTASY 03 出展
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- 2019.05
- 日本蒸奇博覧会 in ゲームマーケット2019春 出展
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- 2019.09
- JIA Illustration Award 2019 銅賞 受賞
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- 2019.09
- 世界を魅了した新進気鋭の百人のイラストレーター Vol.2 掲載